元公務員から見た、税務課職員3000万円着服事件の原因と地方公務員の実態

どうも、おわりしゃちょーです。

 

自己紹介で書いた通り、僕は元公務員(市役所)です。

layled.hatenablog.jp

 

 

 

最近話題になってる、

 

滋賀県甲良町税務課職員の3,000万円着服事件

 

についてです。

 

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自分自身も公務員時代は税務課に属していました。

そんな経験から、この事件については思うことが結構あるので書きたいと思います。

 

 

 

 

犯人の小島崇靖氏は、直に町民が納税したお金を扱う「税務課」に所属していたみたいです。

 

滋賀県甲良町は人口が7200人程度の小さい町のため、役場職員も100名程度と少く、一人の職員が複数の職務を担当していることが予想されます。

 

そのため、町民が納税した現金の管理はおそらくダブルチェックなどがなく、犯人に属人化されていたんでしょう。(そうじゃないと一人だけで着服を行うのは無理)

 

 

犯人の小島崇靖氏がインタビューでも語っていましたが、

 

「着服できる体制・制度に原因がある」

 

 

はぁ? って思いますよね。

犯罪犯しておいて何言うてんねん!アホか!

って感じです。

 

ただ、冷静に考えると、そんな簡単に着服できる環境になっていることがおかしいのも事実です。

 

じゃあなぜそんなことになっているのか。

公務員以外の人から見れば、

 

「公務員なんてまともに仕事してないくせに高い給料だけもらってる税金ドロボーやろ、ちゃんと仕事せえや」

 

こんなことを言う人もたくさんいます。

 

たしかに、役所の職員みんながみんな全力で働いているかと言われたらNoだと思います。

でも、この世の中に社員がみんながみんな全力で働いている会社ってどれだけの数あるんでしょう。

どこの役所、どこの職場、どこの会社にもサボってたり適当に働いている人っていますよね。

 

でも公務員は叩かれる。

そういった昨今の公務員バッシングの状況も起因して、全国の役所はとにかく職員数を減らしています。

 

これが一番の、「簡単に着服できる環境になっている原因」だと思います。

 

とにかく職員数が足りないんです。

だから「現金の管理」という責任ある仕事でさえも、若手職員一人に任せざるを得ない状況になってしまうんです。

 

 

職員数削減によって、職員一人当たりの業務量も増え、責任も増えてきています。

しかし給料はどんどん下がっています。共済年金も廃止されました。

 

 

もし自分が公務員だったとして、考えて見てください。

 

  • 将来の安定を求めて、倍率何十倍という狭き門の公務員試験を必死で勉強して突破したのに待遇がどんどん悪くなる
  • 仕事量はどんどん増える
  • 給料はどんどん下がる
  • 老後も安心と思っていた共済年金もいきなり廃止される
  • 「公務員」というだけでとにかく世間からバッシングされる
  • 周りの人間から「公務員は高収入」というバカな妄想を押し付けられ、妬まれる(僕の公務員時代の月の手取り額は11万円でした)

 

どうですか?

今の役所職員というのはこんな状況で働いています。

それなのに周りの無知な人間から妬まれるんです。

役所人間が高収入なんてアホかよと。みんなギリギリで生活、子育てしてます。

 

 

小島崇靖氏が言っていた、「職場への不満、ストレスを紛らわすために着服をした」というのはこれらのストレスも含まれていることと思います。

 

 

今回の事件の原因はさまざまな要因が重なってしまったものです。

3,000万円という金額になるまで発覚されなかった役所側の体制にも責任があります。

しかし、事件の起きた甲良町役場だけでどうにかできる問題ではないんです。

 

国全体の課題として、地方行政のありかた、地方公務員のありかたを今一度考え直す必要があるはずです。

 

いい加減、「東京一極集中」の現状を打破しなければいけません。

そうしないと地方は本当にボロボロです。

こんな状態で、首都直下型地震なんてきたら日本終わりますよ。ほんとに。

 

 

 

ここからは役所職員の実態についてです。

 

役所職員というのは「地方公務員」に属します。

 

数多くある「公務員」の職種の中でも給料が安い一方、人気の高い職種です。

人気がある要因は、

  • 公務員という安定感
  • 転勤が基本的にない(あっても近距離)
  • 仕事が楽なイメージ

というものが大きいかと思います。

 

3つめの「仕事が楽なイメージ」ですが、役所にはおおくの課があるため、所属する課によって、別業種くらいのレベルの仕事の違いがあります。

大変な課は本当に心身共にハードです。

 

多くある課のなかでも、「税金を扱う課」「生活保護を扱う課」は特にハードな仕事を強いられます。

 

ハードなあまり、体を壊してしまう職員や、うつ病を発症してしまう職員も少なくありません。

 

僕自身、税務課で税金の徴収業務を行なっていました。

簡単に言うと、税金未納者に税金を納めてもらう業務です。

接する相手は滞納者です。

滞納者の中で素直に納める人なんて一握りなんで、業務のほとんどは

財産調査差し押さえ

です。

 

元公務員なんで守秘義務があり、業務内容を細かく書くことはできませんが、

何が大変かって、差し押さえ後の滞納者の対応です。

 

差し押さえされた後の滞納者はそれはそれはもう、怒り狂っています。

鬼の形相で窓口に来る人、いきなり窓口で殴りかかって来る人、暴れる人、泣きながら電話をかけて来る人、中には、ヤクザを連れて乗り込んで来る人もいました。

 

この対応を毎日しなくちゃいけません。

結構きついです。

 

でも周りからは

「まともに仕事をしてない高収入な公務員」

という目で見られます。

 

でもこれが今の地方公務員に対する世間のイメージです。

つらいですね。

 

 

 

世の中には無知なのに妄想で情報を垂れ流す人、とにかく他人を叩くしか脳がない人、いろんな人がいます。

そんな人の言っていることを気にしてても仕方がないのかもしれませんが、

毎日必死で働いているのに、事実無根のバッシングをされたら誰だって傷つきますよね。

 

もう少しみんな、公務員に優しくしてあげてほしいです。(叩きたいなら国会議員を叩いてほしい)

 

 

 

この記事で何が言いたいかって言うと、

 

3,000万円着服した犯人を決して擁護するわけではないが、役所職員の実態は世間が思ってるほど辛い現状であるということ。

なぜこの着服事件が起きたかの根本的な国としての問題を考える必要があること。

地方公務員は実際は給料が安く、決して高収入ではないこと。

着服した小島崇靖容疑者のインタビューの時の開き直った態度と顔がとにかく腹立たしいこと(これ大事)

 

です。

 

 

 

ニュースやネットでいろんな情報が飛び交う現代ですが、表面だけでなくて実情や本質を見極めるようにしましょう。自分自身も今以上にそうしていきたいです。

 

 

 

 

 

今回はちょっとだけ真面目な内容で書きました。

 

おわり。